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<コーセル>(6905)

電源活況だが、足元受注には変化も。新規事業の立ち上がりは?
2006年12月19日

 主力のスイッチング電源が好調で、今5月期の11月中間業績は期初予想を上回ったが、足元受注には「以前ほどの力強さがなくなっている」としており、通期見通しは期初予想を据え置いている。一方新規参入事業のノイズフィルタは本格化が徐々に進むが、会社側の目標からはまだ大きく下回る。また事業所体制では、来年前半にインドと中国華南地区に営業拠点を設けることも決めている。

 07年5月期の11月中間業績は、期初には売上高117億6,000万円、経常利益33億8,000万円、当期利益19億6,000万円を予想、実際は順に122億1,300万円(前年同期比18.1%増)、37億6,000万円(同22.2%増)、21億8,900万円(同21.6%増)といずれも上回った。

 国内市場ではFA関連機器向け、半導体製造装置、通信機器向けなどユニット電源、オンボード電源が総じて堅調だったことに加え、海外市場でも中国における通信機器向けの需要が大幅に増加したことなどが牽引した。ただ頭記のように足元受注では以前のような力強さが既になくなっているとしている。足元の月次受注は今のところ前年同月比でほぼ横ばい推移だが、前年下期が好調だったこともあり、今下期には前年同月比ではマイナスに転じる場面もあるとみて、通期予想は期初予想を据え置いている。なお期初予想は、順に236億2,000万円、69億9,000万円、40億9,000万円となっている。

 製品面では、11月中間で主力のユニット電源が17%増、オンボード電源が同19%増とともに高い伸びで、まだウエートは小さいが新規事業のノイズフィルタはほぼ8倍増となっている。

 そのノイズフィルタは、昨年5月から市場参入している新規事業。前年同期の実績が小さいので伸び率は高いが、金額的にはまだ2,500万円にとどまり、立ち上がってはいるがやや動きは鈍い。コーセルのノイズフィルタは、EMI(電磁干渉)フィルタ、EMS(電磁的感受性)フィルタ、スイッチング電源出力ノイズ減衰用フィルタなどが中身で、従来のノイズフィルタは漏洩電流が1種類であるのに対し、コーセルの新製品は顧客のシステムに合わせて受注時に最適な漏洩電流を選択することができることや、ネジを緩めることなく丸型圧着端子に接続できる独自開発のプッシュダウン方式端子台を採用したのが特徴で、他社製品に比べて小型軽量化というメリットもある。ちなみに中期的には同事業として年間売上高30億円を目指している

 一方事業所体制では、海外販売の強化を狙いに、インドと中国華南地区への進出を決めている。具体的には詰めているが、今期末までに正式決定の見通し。インドへは従来から販売実績はあったが、香港子会社を経由しての販売で、現地に事務所を設けて対応を強化する。また中国では香港社のほかに、上海、北京に拠点があるが、新たな事務所を華南地区に設ける構えとなっている。