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<黒田電気>(7517)

液晶市場に底打ち感。特需寄与もあるが前期下期から景況感に変化
2007年4月24日

黒田電気のデータベース(会員サイトのみでご覧になれます)

 07年3月期は、期中に業績予想をいったん下方修正、対前期比減収減益になるとしていたが、今度は一転して上方修正、増収増益予想に見直した。HDD業界向けのフィルムシートと機械設備関連の需要が拡大、また東南アジア向けの輸出についてもスポット的特需があり寄与する。また液晶関連での需要回復の寄与も大きい。会社側では「液晶の在庫調整は既に一巡しており、逆に品不足の状況になっている」とする。

 黒田電気は、電子部品・材料など販売を主とする商社が本業だが、外注工場や子会社を通じて生産も行っている。前07年3月期は、このメーカー部門で手がける液晶事業などが誤算となり業績予想を期中にいったん下方修正していたが、この受注トレンドが下期に入って変化してきた。

 液晶事業では、パックライトの組み込み、液晶パネルの製造工程で配向膜の塗布に使う特殊印刷版材の生産、カーナビゲーションシステム向けの機器組み立てなどを行い、期中にはこのうち配向膜の塗布用特殊印刷版材やカーナビ向け組み立てが予想を下回る見通しとしていた。カーナビ用パネル組み立てについては依然として現在でも低調だが、配向膜の塗布用特殊印刷版材については底打ち感が出ており、前期も想定よりも上回ったとする。同事業は、子会社のコムラテック(大阪府東大阪市)で手がけており、前期は期初には47億円の売り上げを目指していたが、ユーザーサイドの生産調整から31億円にとどまる見通しと期中に大きく見直していた。しかし最終的には35億円の売り上げになったとする。売り上げへの寄与はそれほど大きくないが、メーカー部門は利益率が高いため、この寄与は利益面での押し上げなどに効果があったとする。

 また売り上げで寄与が大きかったのは、商社部門としての大型液晶テレビ用レンズや東南アジアでの現地工場への購買代行などの事業。ただ後者については、ユーザーが新工場を本格化させるまでのスポット的受注とみており、この寄与は一過性とする。

 ともあれ全体的には受注環境は好調に転じており、前期はいったんは対前期比で減収減益とみていたが、最終的には増収増益となる見込みとなった。

◇2007年3月期業績予想修正
連結(百万円) 売上高 経常利益 当期利益
期初予想 160,000 6,400 3,100
従来予想 151,000 3,800 1,780
今回修正 159,000 5,300 3,000
(参考)
前期実績 153,072 6,281 2,811