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<ミネルバ>(非上場)

磁気ヘッド。不渡り。既に事業閉鎖、破産へ
2010年1月26日

本社:高知県香南市香我美町下分684−1   TEL:0887−55−5005 
代表者:小森 正治氏   資本金:4,800万円   従業員:40人
業種:磁気ヘッド、磁気センサの製造  09年6月期売上高:8億8,000万円
  
ミネルバの倒産速報(法人サイトのみで公開、6月19日付)

 磁気ヘッド、磁気センサのメーカー。1月25日付で事業閉鎖、事後処理を中本和洋弁護士(TEL06−6364−6241)に委任した。既に20日以降2回不渡りも連続して出ている。破産の方向で、高知地裁へ破産手続き開始を申し立てる予定だが、弁護士サイドでは「優先債権や一般債権の確定などに時間がかかるため2月中の申し立てとなる見通し」としている。今月下旬には既に業界では信用不安の話が出ており、弊社でも独自にヒヤリングしたが、そのときには「大変厳しい状況が続いているのは事実」という言い方をしていた。

 結局ヤマとされた1月末を乗り切れなかった形。負債は総額13億円で金融債務が10億円内外を占めるもようだが、その金融債務も担保が本社工場の不動産で価値が実際の貸付額と見合っていないとされ、金融債務の多くは一般債権扱いになる見通し。

 1981年4月創業、82年7月設立。もともと大阪に拠点を置いていたが、高知の企業誘致もあり90年から高知工場を立ち上げ、拠点を移した。磁気ヘッド、磁気センサを手がけ、紙幣や硬貨の識別センサなど技術力には定評があった。

 かつては本社工場と東京、大阪の支店に従業員80人を抱えていたが、最近は中国への生産シフトが進み、国内は40人程度となっていた。なおこの中国工場については、ミネルバからの出資もあるものの実際には現地企業という位置づけで、今回のミネルバ倒産とは連鎖しない。弁護士サイドでも「中国は生産の委託先であり、中国との取り引きをユーザーが自己判断で継続するのは問題ない」という言い方をしている。

 売上高はかつては20億円を超え、近年のピークである05年6月期には、国内の新札発行に伴う各種紙幣識別センサ、同ヘッドの受注拡大から23億6,100万円を計上していたが、08年6月期は13億2,700万円に減少、さらに09年6月期は8億8,000万円にまでもう一段縮小していた。最近ではRFID、クリーニングタグなどにも取り組んでいたが、業績回復の決め手にはならなかった。

 販売先にはグローリー、富士電機、東研、小田原機器、仕入先にはかつては中野パーマロイ、春田産業、三芳金属などの名前を挙げていた。