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<フォトニクス>(7708、大証ヘラクレス)

前6月期は9割弱の減収、欠損4連期。社名変更へ
2010年8月20日
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 10年6月期業績は、売上高が対前期比9割弱の減にとどまり、利益も引き続き欠損となった。これで最終欠損は4期連続となった。また今期も引き続き欠損を予想しており、回復への糸口はまだつかめていない。ゴーイング・コンサーン(継続企業の前提に関する疑義)の注記もついており、早期に抜本的改革が求められる状況となっている。こうしたなか会社側では、9月29日付で社名を「ゲートウェイ」に変更、さらに今後の機動的な資金調達に備える狙いで発行可能株式数を従来の14万株から24万株に引き上げる定款変更を行うことを決めた。同日開催の株主総会の承認を得て実施される。

 10年6月期業績は、売上高が対前期比86.3%減の1億7,600万円にとどまり、利益は経常で2億9,100万円の欠損、当期で3億4,600万円の欠損となった。なお前年の09年6月期は、順に12億8,700万円、4億9,800万円の欠損、6億600万円の欠損だった。

 前期は、今年7月に当欄でも報じたように、新規事業の太陽電池製造装置用レーザスクライバ事業が予定よりずれ込んだのが誤算となった。同品はユーザーの評価作業が見込みより時間がかかり、結局前期に同装置の売り上げはまったく計上できなかった。太陽電池製造装置用のレーザスクライバは、半導体検査装置メーカー、レイテックス(マザーズ)からの技術協力を得てフォトニクスが開発、外注に委託して製品化した新製品。これまでのレーザ加工・切断装置では実現できない分子レベルでの切断加工が可能なのが特徴。近く最終評価が下りる見込みになっているとはするが、早くても量産化は今秋にまでずれ込む見通しで、業績への寄与にはまだ時間がかかりそう。

 もともとフォトニクスは、売り上げのおよそ8割を占めていた「電子材料」事業から撤退したこともあり、ピーク時には年間30億円を超えていた売上高が、09年6月期には12億8,700万円にまで減少、10年6月期はさらに前述のように1億7,600万円にまで落ち込んでいる。

 今11年6月期は売上高5億円、経常および当期利益は7,000万円の欠損を予想しており、引き続き収益は水面下の見通しで、道のりは険しい。当面はレーザスクライバの早期事業化とともに、新たな投資育成案件などの発掘に活路を求める形となっている。