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<石井表記>(6336、東証2部)

既報の太陽電池工場火災影響、長引く見通しに
2010年9月13日
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 7日付当欄既報のように、太陽電池ウエハ加工が主な中身の太陽電池事業の主力生産子会社、石井表記ソーラー(広島県福山市)で火災が発生、同社の操業がストップしているなか、当初見通しより影響が大きいことが判明した。

 当初会社側では「復旧にメドは立っていないが、既に消防の立ち入り検査は終えており、操業停止は長期化しないとみている」とコメントしていたが、その後の調査で排水処理工程に負荷がかかり、排水処理能力が低下していることが判明した。このため10日付の取締役会で、機能が改善されるまで自主的に同社の操業を当分の間停止することを決めたもの。

 石井表記の太陽電池事業は、前期実績では全体売上高の3割を占めている。子会社の石井表記ソーラーは、その太陽電池事業の主力生産拠点で、人員266人でウエハ加工などを行い、月産300万枚という規模となっている。

 当面は協力工場への委託を増やすなどして対応していくことになるが、同社内でしか出来ない工程もあり、操業停止が長引くとある程度の影響は免れないとみられる。ただ同部門は利益面では営業損失となっているなど背景もあり、火災発生の影響は無論あるが、子会社操業停止の影響については単純にマイナス要因ばかりとは言い切れない側面もある。

 なお火災は、9月2日の夜午後10時30分に発生した。鉄骨平屋建て108平方メートルの排水処理棟から出火、機械設備の一部が消失したもの。当初は建物に大きな損害はなく、負傷者も出なかったことから、弊社でも既報のように早い段階で操業を再開するものと会社側でもみていた。

 一方、今11年1月期の7月中間業績を発表した。従来予想では売上高77億8,600万円、経常利益2,200万円(黒字)、当期利益は5,900万円の欠損だったが、結果は順に83億9,900万円、2億3,000万円(黒字)、3億2,100万円の欠損となった。

 会社側では7日時点で弊社の取材に対して「売上高と経常利益はほぼ従来予想のラインだが、当期利益については前出火災発生とは別に資産の除去損など特別損失が発生するため当期利益段階では再びマイナスとなる」とコメントしていたなか、実際には売上高と経常利益は予想を大きく上回り、当期利益は欠損がさらに広がるという結果だった。なお通期の業績予想については、弊社サイトで7日に指摘したようにやはり火災の影響などの算出が難しいことから今回は据え置いている。