購読料金
 (毎日更新)
法人向けサイト 月額 3,900円 (年払い、プラス年間1万円で週刊ジャーナルも郵送)
個人向けサイト 月額 2,500円 (6カ月 or 年払い、年間契約は1カ月分サービス)
 HOME企業動向 > 企業動向見本
<クラリオン>(6796)

製品受注は堅調だが、一部の部品調達に不透明感
2010年11月25日
クラリオンのデータベースへリンク
(リンクは会員サイトのみ。過去記事や近年の業績・財務一覧)


 足元受注は好調だが、液晶メーカーからのカーナビ用液晶パネルの調達が困難になっており、需要に対応しきれない状況が続いている。エコカー補助金制度終了の反動は今のところ限定的で、自動車メーカーからの受注は緩みないとしているが、パネル不足から生産が追いつかないという状況となっている。現在の生産はメーカー向け純正品にほとんど限定されており、メーカーオプションおよび量販店ルートのオーダーには対応しきれていない。

 こうしたなか、クラリオンでは現在国内外の液晶パネルメーカー3社からパネルを購入しているが、このうち海外メーカーからの購入比率を増やす、あるいは新規の調達を模索するなどして対応していく考えを示している。しかしそれでもすぐに需給バランスが好転するとは考えにくい状況で、こうした事情を織り込み、今11年3月期の通期業績予想については、9月中間が期初予想を大きく上回ったにも関わらずに据え置いているもの。

 今11年3月期の9月中間業績は、期初の赤字予想から黒字確保となった。期初予想は売上高860億円、経常利益3億円(黒字)、当期利益は10億円の欠損としていたが、最終的には順に933億1,800万円、18億4,900万円、10億4,800万円(ともに黒字)となった。

 しかし通期については、期初予想の売上高1,750億円、経常利益30億円、当期利益10億円を据え置いている。足元でも受注には失速感はないとするものの、前述のような背景から生産対応が限定的になるとみているのが理由で、実際にはこうしたなかで「見直しをしていない」という状況となっている。

 一方こうしたなかで、生産体制ではフィリピン工場を閉鎖することを決めた。閉鎖するのは、全額出資の子会社、クラリオン・マニュファクチャリング・コーポレーション・オブ・ザ・フィリピンズで、従業員310人でカーオーディオおよびカーラジオの組立を行っていた。このフィリピン工場では、93年ピーク時には年間138万台生産していたが、前期は53万8,000台にまで縮小、生産メリットも薄れていた。こうしたことから11年1月末で生産を終了、3月には清算入りする見通しで、フィリピンで手がけていた組立はもともと半製品を供給していた国内および中国東莞工場に今後シフトしていく。