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<オプトエレクトロニクス>(6664、ジャスダック)

スマートフォン向け本格化の兆し。11月期黒字回復は確実
2010年12月24日
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 取り組んでいるスマートフォン向けハンディターミナルが2011年から本格化する兆しが出ている。一方業績面では、09年11月期は減収の一方欠損転落を余儀なくされていたが、集計中の前10年11月期は2ケタ増収と黒字回復が確実な状況となっている。今のところ業績見通しは期初予想から修正していないが、売上高、利益ともに上ブレが見込まれている。

 スマートフォン向けのハンディターミナルは、スマートフォンとハンディターミナルを高度に融合させた端末機器で、WindowsのOSを載せているため、ハンディターミナルとしての機能とともに通信・通話機能を持つのが特徴。NTTドコモとの提携で製品化しているもので、物流など業務用をターゲットにしている。既に製品は市場投入されているが、まだここまでの寄与は限定的。ただ徐々に本格化しており、来期からは業績への寄与が期待できるところまできた。

 全体業績では、09年11月期は売上高が85億8,000万円にとどまり、当期利益も8億5,500万円の欠損と不振だったが、景気回復とともに中国への生産シフトによるコスト削減効果が浸透、10年11月期は売上高、利益ともにV字回復を果たすことが確実となっている。足元の受注でも、これまで堅調だった欧州市場向けは停滞しているが、これを補って中国、台湾などアジア向けやブラジル向けにバーコードスキャナ、ハンディターミナルなどが活況になっているとしている。

 今のところ10年11月期は、売上高が微増の88億円、経常利益1億円、当期利益6,000万円という期初予想を修正していない。しかし既に1〜3四半期累計(12〜8月)で売上高は72億8,000万円(前年同期比15.5%増)、経常利益1億4,700万円、当期利益1億5,900万円にまで達しており、会社側では「第4四半期(9〜11月)にも大きく落ち込む要素はない」としているところから、実績は売上高、利益ともに予想を上回る見通し。

 なおこうしたなか、埼玉県蕨市の賃貸用地1,850平方メートルを売却することもこのほど決めた。現在賃貸駐車場およびマンションのモデルルームとして賃貸しているが、管理コストの削減などを狙いに売却するもの。11年1月末までに譲渡先をきめ、5月中旬には引き渡す予定。帳簿価格は3億9,800万円。

 ちなみにオプトエレクトロニクスでは、今年6月にも埼玉県川口市の遊休地1,735平方メートルを真空成形品メーカーのいわき(埼玉県川口市)に売却しており、遊休地の整理が続いている。なおこの川口市の遊休地売却の際には、帳簿価格3億7,100万円に対して譲渡価格は4億円で、譲渡益2,800万円が発生している。

 今回の売却も大きな譲渡益にはならないとみられるが、賃貸物件の管理コストや税金面などを考慮して、売却に踏み切ったとしている。ほかにもオプトエレクトロニクスでは、旧本社用地をやはり遊休不動産として保有しており、こちらも売却を検討中だが、旧本社には現在社屋がまだ建っているため、こちらは継続保有する可能性もある。