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<エノモト>(6928、ジャスダック)

被害の大きかった岩手県大槌町の工場の状況など
2011年4月5日
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 地震の影響により、岩手工場の操業停止状態が続く。岩手工場があった岩手県上閉伊郡大槌町は、特に被害の大きかった区域で、津波の影響により町全体が壊滅的な被害を受けた。ただエノモトの岩手工場は同区域内でも高台に位置していたこともあり、工場の建屋などの直接的被害は軽微だった。しかし地震発生以降、ライフラインが停止していたこともあり操業は停止したままの状態がまだ続いている。これまでに既に電気と水道は回復しており、通信回線も4日には復旧したことで操業再開に向けて素地は出来たが、まだ工場の再開時期については見通しが立たないとしている。

 岩手工場は従業員101人を抱えていた。このうち自宅にいた社員など3人がこれまでに死亡が確認されているほか、1人が行方不明になっている。また社員のなかには自宅などが被害を受けているケースもあり、工場被害は軽微でインフラも復旧したが、工場再開にはまだ時間がかかる見通しとなっている。

 岩手工場ではリードフレームやコネクタを生産していたが、今のところ岩手で担っていた部分は国内の他の工場にシフトしている。なお国内には計6工場があり、岩手のほかには、山梨(2工場)、神奈川、静岡、青森にそれぞれ工場を抱える。地震の関係では、岩手のほか青森の津軽工場(青森県五所川原市)も一時生産をストップしていたが、こちらも建物には損傷はなく、停電によるもので、現在は復旧している。ちなみに海外にもシンガポール、フィリピン、セブ島、中国中山などに拠点を抱えている。

 11年3月期は、地震前まではほぼ期初予想に沿った展開で、通期で売上高は対前期比16%増の183億6,300万円、経常利益と当期利益はともにほぼ10倍増程度となる5億1,700万円、6億2,600万円を見込んでいた。全体としては車載向けのIC・トランジスタ用リードフレーム、薄型テレビや照明向けのLEDリードフレームが好調に推移して牽引していた。こうしたなかで今回の地震の発生で、今後の需要動向などを現在は見極めているところ。