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<日本シイエムケイ>(6958)

低迷続くなか、さらに自動車メーカー減産が足元で響く
2011年5月24日
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 前11年3月期まで3期連続で欠損となるなど業績不振が続いており、足元でもエンドユーザーである自動車メーカー減産の影響を受けている。地震の直接的被害はなかったが、今期は自動車メーカーのサプライチェーン問題による生産調整の影響を受けている。逆に言えば、国内自動車メーカー各社の早期完全復旧が4期ぶり黒字回復の鍵を握りそう。

 日本シイエムケイは、車載機器向けなど最終用途先が自動車市場である製品の売り上げが前期実績でほぼ50%を占めており、同業界の生産調整の影響を受けやすい。またAV・デジタル家電向けでも最終製品の価格下落影響を受けている。今期は、不振が続いている国内携帯電話メーカーが相次ぎ多機能携帯電話を投入して活性化する勢いにあることなどがプラス材料となっているが、頭記した自動車メーカー本格化の見通しが不透明で、今12年3月期通期の業績予想は「未定」としている。

 日本シイエムケイは、前11年3月期まで3期連続で欠損が続いている。今期は予想数字こそ出していないものの4期ぶりの黒字回復を目指すが、実情としては早期に自動車メーカーがフル稼働に戻ることがほぼ必須条件となる。ただ足元の第1四半期(4〜6月)はこの自動車メーカー減産の影響からかなり落ちているもようで、道のりは険しい。

 前期は、期初には売上高1,050億円、経常利益20億円、当期利益10億円と予想していたが、最終的にはいずれもこれを大きく下回り、売上高870億円、経常利益は19億9,100万円の欠損、当期利益は57億2,600万円の欠損にとどまった。

 これは期末に発生した地震の影響というより、販売不振や製品価格の下落などの影響が大きい。なかでも前期に厳しかったのは、AV・デジタル家電向けと、通信向け。AV・デジタル家電向けは、製品価格の下落による採算悪化から一部選別受注をした背景はあるが、対前期比で41%減の71億円の売り上げにとどまった。また国内携帯電話メーカーの不振の影響で通信向けも同17%減の96億円となり、ゲーム機やパチンコ・パチスロなどアミューズメント向けや主力の自動車向けは伸びたが、この2部門の穴を埋めるまでには至らなかった。

 ちなみに地震の関連では、直接的被害はほぼ受けていないものの、関連する影響として売上高で5〜6億円、利益面では2億円程度のマイナス要因になったとみる。

 なお体制再編では、09年に中国東莞での片面板生産から撤退したのに続き、昨年もマレーシアでの片面板生産から撤退、国内外での片面板生産から完全撤退するなど、採算強化に努めている。並行して国内子会社もこれまでに閉鎖など再編を続けており、前期にはこうした事業構造再編費用20億円などを特別損失として計上してもいる。前期の最終損失が広がっているのはこうした理由もある。