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<カシオマイクロニクス>(非上場)
半導体加工。テラプローブ傘下に。カシオは半導体撤退
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2011年6月17日 |
本社:東京都青梅市今井3−10−6 TEL:0428−32−1551 代表者:若林 猛氏 資本金:5億円
従業員:305人(臨時従業員含む) 業種:半導体BUMP加工 11年3月期売上高:60億5,300万円 |
カシオ計算機の子会社で、半導体BUMP(バンブ)加工を中身とするWLP(ウエハレベルパッケージ)事業を手がける。半導体のウエハテストを行うテラプローブ(東証マザーズ)に資本譲渡される。親会社のカシオ計算機は、WLP事業を全額出資子会社のカシオマイクロニクスで専業生産しており、半導体関連も同事業だけのため、カシオ計算機として半導体事業からは撤退となる。なお電子部品関連ではカシオ計算機にはまだ液晶事業などがある。
資本譲渡は、手続き上はカシオマイクロニクスおよびカシオ計算機本体のWLP事業を、会社分割で新会社の「テラミクロス」に譲渡、このテラミクロスの全株式をテラプローブが取得する形となる。テラミクロスにはWLP関連の全資産と、カシオマイクロニクスの全体従業員300人のすべてが移る。新会社のテラミクロスは7月20日設立予定で、会社分割の効力発生日は今年10月1日を予定しており、株式譲渡も同日付となる。なお売却に伴い、カシオ計算機ではカシオマイクロニクスに対する貸付金の全額75億円を債権放棄する。
カシオマイクロニクスのWLP事業は、前11年3月期実績で59億9,000万円で、カシオマイクロニクス全体売上高の99%を占める。またカシオ計算機自身にもWLP事業はないわけではないが、これはカシオマイクロニクスとの共同開発部隊などだけで、実際にはカシオマイクロニクスが開発、製造、販売まで一貫して行う体制だった。なお売却先のテラプローブはカシオマイクロニクスと業務面で従来から取引関係があった。
半導体業界は新技術が相次ぎ、海外メーカーとの競争なども激化しており、同じ半導体のウエハテストを専門に行うテラプローブとの一体運営が成長戦略にとって重要と判断、一方のテラプローブ側でもウエハテスト業務とのシナジー効果が図れるとして、合意に至った。
カシオマイクロニクスは、もともとは株式を上場していたが、08年7月にカシオ計算機の完全子会社となって上場廃止となった。しかし近年は経営面で赤字が続いており、前11年3月期末時点で債務超過となるなど厳しい経営状態が続いていた。11年3月期は、売上高60億5,300万円、経常利益は8,800万円の欠損で、当期利益は5,600万円の黒字だった。また同期末時点の総資産は46億8,900万円、純資産は49億3,600万円の債務超過となっている。
上場時には、半導体BUMP事業とフィルムデバイス事業を2本柱としていたが、08年6月に全体売上高の約6割を占めていたフィルムデバイス事業を日立電線に売却、現在では半導体BUMPを中身とするWLP事業の事実上専業となっていた。
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