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<菊池製作所>(3444)

福島県双葉郡川内村に新工場。新規市場にも参入


2012年6月7日

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 福島県双葉郡川内村に生産進出する。川内村は原発の影響で一時は全域が避難対象だったが、今年1月に「帰村宣言」が出て住民の帰還が進められている。菊池製作所は、本社こそ東京都八王子市だが、10工場のうち7工場を福島県内に抱えており、福島を主力量産基地とする。こうしたなかで、福島の復興再生支援という思いもあり、川内村への生産進出を決めた。また実際の投資資金という点でも、要投資額4億6,000万円の全額を福島県と川内村から補助金という形で受け取ることが決まっており、これも進出を後押しした。本格化時には従業員50人を予定しており、現地雇用が促進される。

 また川内村の新工場では、パソコンなど電子機器向けのホットチャンバ式アルミダイカストを製造する計画だが、これまで菊池製作所では同事業を本格量産しておらず、事実上同社にとっては市場参入となる。これは放熱を目的とした金属シートなどの加工品で、搭載される電子機器はさまざまだが、放熱ニーズが高いパソコン、プロジェクタ、インバータなどが販売ターゲットとなる。

 新工場は、川内村で廃校となった学校の校舎を再活用するもので、敷地は9,136平方メートル、建屋は活用する予定だが、もともと工場ではなかったため内装設備を行い、機械設備もすべて新たに導入する。今年7月着工、11月完成稼働予定。

 菊池製作所は、金型と精密部品の製造を行い、さらに携帯電話、デジカメのモジュール組立なども手がけ、こうした一貫生産が可能なのが特徴。用途的には電子機器全般を手がけるが、現在は携帯電話とスマホが全体売り上げの4〜5割を占め、ほかデジタルカメラ、複合機など事務機、パソコン、プロジェクタ、医療機器向けなどもある。

 ジャスダックに上場したのは昨年10月で、東京八王子市に本社第1〜第3工場、福島県相馬郡飯舘村に福島第1〜6工場の6工場、福島県二本松市に二本松工場の計10工場という概要。また海外では、香港の菊池(香港)が中国工場(広東省東莞市、従業員数約200人)を保有して量産を行う一方、韓国のKOREA KIKUCHI(京畿道富川市、従業員数5人)でも試作を行っている。

 11年4月期の業績は、売上高65億7,900万円、経常利益6億8,100万円、当期利益3億2,600万円。集計中の前12年4月期は期初には売上高68億8,400万円、経常利益8億2,400万円、当期利益4億8,300万円という予想だったが、今のところ順に62億円、4億3,000万円、2億円を見込む。上期に比べて下期受注は落ちているが、携帯電話向けについて絞ってみると、量産受注はまだ横ばいだが試作品受注には既に底打ち感が出ているとしている。