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企業動向記事
<ニッポン高度紙工業>(3891、ジャスダック)   
前期欠損だが受注は回復。フレキ基板からは撤退
2013年5月31日
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 13年3月期業績は4年ぶりに欠損転落となったが、昨年10月あたりをボトムに受注は回復しており、今年に入ってさらにその勢いが加速している。こうしたことから、今14年3月期は今のところ上期から黒字確保を見込む。一方製品面では前期末まででフレキシブル基板事業から撤退した。ただ同品の技術的なベースである樹脂事業は継続しており、今後新たな用途展開を目指す構えとなっている。

 前13年3月期は、電池用セパレータは堅調だったものの、コンデンサ用セパレータが不振で売上高が前期比14%減にとどまり、こうした売り上げの低迷に加え、利益面では米子新工場(鳥取県米子市)立ち上げに伴う減価償却負担増、さらにフレキ事業から撤退したことなどによる子会社への投資損失などの計上が響いた。

 新工場の米子工場は、11年6月から工場建設に着手、昨年7月に完成、同10月から稼働開始した。鳥取県米子市二本木の敷地5万平方メートルに、延べ床面積9,000平方メートルという建物規模で、従業員40人でコンデンサ用絶縁紙を生産している。ニッポン高度紙工業は、もともと国内には本社工場(高知県高知市)、安芸工場(高知県安芸市)、南国工場(高知県南国市)とすべて高地県内に工場を抱える体制で、米子工場はこういったリスク分散を狙いに、初の県外工場として立ち上げた。

 一方事業面では、回路基板事業において超薄型フレキシブル基板の生産から昨年末に撤退を決めており、前期末の今年3月末で受注を打ち切っている。現在は受注残を消化しているが、近く生産撤退となる。関連して、今年4月には同品生産拠点だった中国・蘇州にある関連会社の持ち株を譲渡した。これによってニッポン高度紙工業の海外拠点は、現在は絶縁紙スリット加工を手がけるマレーシアだけとなっている。ちなみにフレキシブル基板は、もともと基板の原材料であるポリイミド樹脂の用途展開を進めるなかで製品化したもので、今後はこの原点に戻り、新たなポリイミドの特性を生かした電子部品開発を進める考え。

 13年3月期業績は、売上高が対前期比14.6%減の104億5,100万円にとどまり、経常利益は1億9,300万円の欠損(12年3月期は6億9,300万円の黒字)、当期利益は2億1,900万円の欠損(同3億1,700万円の黒字)となった。売上高のほぼ全量を占めるセパレータ事業において、電池用セパレータは微増となったが、コンデンサ用セパレータが16%の減少となり、前述のように超薄型フレキシブル基板事業から撤退する回路基板事業は、耐熱性樹脂などが残るものの対前期比40%減の4億3,400万円の売り上げにとどまった。今期は通期で順に、126億2,000万円、6億5,000万円、4億2,000万円(ともに黒字回復)を予想している。

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