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<トクソー理研>(非上場)

プリント基板検査治具等。事業所体制の再編・集約
2008年12月8日

本社:長野県茅野市豊平529−4   TEL:0266−72−8603 
代表者:金原 等氏   資本金:1,900万円   従業員:118人
業種:プリント基板用検査治具・関連設備製造、検査業務  08年8月期売上高:19億円  
トクソー理研のデータベース(法人サイトのみで公開)

 プリント基板用検査治具および関連設備の製造と検査業務を手がける。主力ユーザーであるプリント配線板業界の低迷により業績が停滞しており、対応して事業所の再編と人員削減に取り組む。一方このほどまとまった前08年8月期は、売上高が対前期比3割減収、利益も連期での欠損となった。ただ会社側では、体制再編で月次収支としては黒字維持にメドをつけたとしている。

 トクソー理研は、本社のほか主力生産拠点として埼玉工場(埼玉県上里町)を、またこれまでは仙台、新潟、横浜、東海(岐阜)、関西(京都)、大阪の全国6カ所に営業所を抱えていた。このうち本社内の検査用治具製造ラインを埼玉工場に移す。集約はこの12月から始める予定で、時間をかけて行うが、年内には大半の同ラインについては埼玉に集約したい考え。関連して本社の従業員42人については、6人が埼玉工場に移り、10人が退社、26人が残る形となる。

 また全国の営業所についても、大阪営業所(大阪府守口市)を11月末に閉鎖、その機能は東海営業所(岐阜県大垣市)に集約している。営業所はこれにより5カ所となっており、さらに今後も段階的に集約を進めるとしている。ちなみに現在の全体従業員はおよそ118人。

 前期の08年8月期は、売上高が19億1,100万円にとどまり、当期利益も3億5,000万円の損失となった。前年の07年8月期は売上高が28億4,400万円、当期利益は7,200万円の損失だったから、結果的には08年8月期は33%の減収で当期利益も損失拡大という内容だった。

 プリント配線板業界の市場悪化が背景で、前述した体制再編による経営強化はこうした業績停滞を背景としたもの。またこうした連期の損失計上などを受けて、創業者の倉澤徳義社長が10月10日付で責任をとって退任、相談役となり、代わって金原等常務が社長に昇格している。

 ちなみに財務面では、前期末時点での貸借対照表上の負債は総額で27億円余とするが、このうち25億円程度は銀行からの借入金。金融環境の悪化などが進んでいるが、既に主力銀行の八十二銀行からは全面的に支援を受けているとしており、借入金の返済には問題は生じていない。また一般債権についてはサイトが120日程度あるため、キャッシュフロー的にもまだ余裕がある。景気のさらなる減速が懸念ではあるが、体制再編による経費削減を加速させていくことで経営基盤の強化を図る形となっている。

 トクソー理研は、1980年5月創業、84年4月に現社名で設立された。当初はプリント基板の検査業務を手がけ、その後検査用治具の製造などを加え、後者に主力を移していった。販売先としては日本シイエムケイ、日本メクトロン、パナソニックエレクトロニックデバイス、日本サーキット工業などプリント配線板メーカーの大手が多い。