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<SMK>(6798)

スマホ向け不振続く。回復見通しは?
2012年1月26日
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 今12年3月期業績は6億円の最終赤字に転落する見込みとなった。SMKが最終欠損となるのは、リーマンショック直後の09年3月期以来のこととなる。期初には下期には回復するとみていたが、上期の不振に続いて、第3四半期(10〜12月)も不振が大きく、第4四半期(1〜3月)にはやや挽回するとみているものの、通期での黒字確保については困難となった。会社側では、回復は来期半ば以降にまでずれ込むとみている。

 円高進行、価格競争激化、材料価格の高騰など取り巻く環境の悪化が最も大きいが、製品面ではスマートフォン向けの不振が大きい。

 SMKでは、スマホ向けにスイッチ、コネクタ、タッチパネルなど手がけており、このうちタッチパネルはまずまずだが、スイッチやコネクタが不振となっている。スマホ向けスイッチは、北米ユーザーが機種切り替えによる生産調整を行ったこともあり、また台湾勢との競争も激化している。この結果、スイッチや薄型テレビ向けリモコンなどを中身とするFC事業部の1〜3四半期累計の売上高は前年同期比27%減の169億7,500万円にとどまった。ただ前述した北米ユーザーとは別の最大手A社向け受注が今年半ばからは拡大するとみており、これが頭記した「来期中盤から回復する見通し」という根拠となっている。

 ちなみにほかの部門では、太陽光発電モジュールなどが中身のCS事業部もやはり同8%減の165億9,400万円と停滞した。一方タッチパネルが中身のTP事業部は同29%増79億400万円と伸長している。これはカーナビ用タッチパネルが自動車市場の回復に牽引され、また中国市場向けのATM用も伸びたことなどが大きい。なおタッチパネルもSMKではスマホ向けを手がけており、これはここまでは堅調だったが、今後については競争激化から受注が鈍化する可能性が指摘されている。

 今期の通期業績予想は表中の通り。ちなみに1〜3四半期累計業績は、売上高が前年同期比13%減の416億1,900万円、経常利益は8億5,700万円の欠損(前年同期は20億6,300万円の黒字)、当期利益は8億3,400万円の欠損(同12億1,000万円の黒字)だった。なお第4四半期には海外子会社の閉鎖による戻り入れなど特別利益が4億円余発生する見通しで、通期予想にはこれが織り込まれている。

◇2012年3月期業績予想修正
連結(百万円) 売上高 経常利益 当期利益
従来予想 60,800 300 400
今回修正 56,000 −1,100 −600
(参考)
前期実績 61,914 2,505 1,037