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<山水電気>(東京都大田区)

再生手続き開始決定。本社も移転。再建スキームは?


2012年5月22日

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 5月15日付で再生手続き開始決定を受けた。また5月17日には本社も東京都渋谷区から上記に移転している。もともと東証1部上場の音響、映像機器メーカーで、高級アンプ「SANSUI」は知名度も高かったが、近年は従業員数人で音響機器の有償修理と部品販売を行うだけの業態となっていた。既報のように4月2日付で東京地裁に民事再生法の適用を申請しており、民事再生申請を受けて今月初めの5月3日には上場も廃止された。

 今後の方向性などは明らかにしていないが、何らかの新たな事業展開を模索するものともみられる。負債は前11年12月期末時点で2億6,800万円、うち金融債務が2億2,600万円を占め、未払金が3,800万円、また法人税の未払いもこの時点で240万円あった。

 民事再生の申請代理人は、原口薫弁護士(TEL03−5114−8568)、監督委員には相澤光江弁護士(TEL03−6721−3111)が選任されている。債権届出期間は6月12日まで、債権調査期間は7月25日から8月1日、再生計画案の提出期限は8月20日まで。この再生計画案策定までには今後のスキームが明らかになる見通しだが、従業員は「正式にはまだ何も聞かされていない」とコメントしている。

 山水電気は、1944年の創業で、ピーク時には年間売上高も500億円を超える上場音響機器メーカーの大手だった。しかし80年頃から経営危機が表面化、89年10月には英国ポリー・ペック・インターナショナル社の傘下に入ったものの翌年同社が経営破綻、91年には香港グランデグループから支援を受け、その後同社の実質傘下に入っていた。しかしこの香港グランデも11年5月に事実上倒産状態となり、こうしたなかで東証からも監理銘柄にも指定されるなど経営状態が不安定となっていたもの。

 なお11年12月期業績は売上高が1,543万円、経常利益は1億9,900万円の欠損、また実質親会社だった香港グランデの事実上倒産によって貸倒引当金を特別損失として53億円余計上したこともあり、当期利益は55億2,700万円の欠損となっている。

 頭記のように現在は社員3人で修理とともに関連してパーツ販売を行うだけの体制で、どういう形で事業を継続するメリットを見出していくのか、注目される。