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企業分析記事
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<三社電機製作所>(6882) 
三菱重工がパナソニックに代わり筆頭株主
日東工業とも提携。新たな事業展開を模索
2022年11月9日
【売上構成】 2022年3月期
半導体事業34%、電源機器事業66%
連  結 2018/3 2019/3 2020/3 2021/3 2022/3 2023/3
期初予想
売上高(百万円) 23,717 24,369 21,875 19,436 22,675 26,000
経常利益(百万円) 1,480 1,804 243 441 1,313 1,600
当期純利益(百万円) 1,065 1,339 -680 497 1,147 1,200
純資産額(百万円) 19,314 19,952 18,489 19,336 19,810
総資産額(百万円) 27,817 28,532 24,051 24,846 27,146
株主資本率(%) 69.4 69.9 76.9 77.8 73.0
1株当たり
純資産額
(円)
1,332 1,410 1,316 1,376 1,541
1株当たり
当期純利益
(円)
73 93 -48 35 83

 三菱重工業および日東工業と資本業務提携した。三菱重工業はパナソニックホールディングスに代わって、三社電機製作所の筆頭株主に躍り出る。経営環境が厳しくなるなか、三菱重工業と協業することで、エネルギー転換や社会インフラのスマート化での事業展開を目指す。また日東工業とは、EV(電気自動車)向け充電器など環境・エネルギー分野での事業開拓を目指す。

 業績面では、ここ数年売上高は停滞しており、利益面でも20年3月期は最終欠損に転落している。今23年3月期は、期初には増収増益を予想してスタートを切っているが、9月中間は売上高は前年同期比2割増となったものの、経常利益は同42%減の3億700万円、当期利益は同58%減の1億3,400万円とともに大幅減益だった。

 今期の9月中間については、半導体はロックダウンの影響から中国向け販売が伸び悩み、微増にとどまった。一方電源機器は、小型品、一般産業用などが好調で、インバータは減少だったが、全体としては伸びた。ただ利益面では、材料費や電気料金の高騰が響き、さらに電源では電子部品や樹脂部品など原材料の調達難から生産に遅延が生じるなど誤算もあり、大幅減益となった。

 もともと9月中間予想を開示していないが、利益面では通期で12億円の最終利益予想に対して、9月中間でほぼ10分の1の1億3,400万円しか確保していない。ただ通期予想については、期初予想を修正していない。

 こうしたなかで今後の事業展開もにらみ、資本業務提携に踏み出した。11月25日付で、三菱重工業を割当先とする総額11億7,000万円余(1株877円)の第三者割当増資を実施、三菱重工業は133万5,000株の三社電機製作所の株式を取得、発行済み株式の10.04%を握り、筆頭株主に躍り出る。

 同時に日東工業も同日付で総額5億8,500万円余(同)の増資を引き受け、66万7,100株の三社電機製作所株式を取得、同5.02%を握り、第3位の株主となる。三社電機製作所の現在の筆頭株主はパナソニックホールディングスで、発行済み株式の16.85%を保有しているが、パナソニックは一部株式を売却、持株比率を5.02%に落とし、日東工業とともに第3位の持株比率となる。

 なお三社電機製作所の現在の吉村社長はパナソニック出身だが、現段階では今後のことについては言及されていない。また増資による取得金については、岡山工場(岡山県奈義町)の半導体設備に12億円が投じられるなど設備投資を中心に、一部研究開発にも充当される予定で、岡山の増産投資は24年3月に終え、生産能力は現在から1割増となる見通し。

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