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<田淵電機>(6624) 
事業再生ADRを申請
2018年6月26日
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 6月14日付企業分析欄でも既報のように、業績悪化が広がり経営不振が深刻化しているなか、6月25日付で事業再生ADRを申請、同日付で受理された。

 事業再生ADRとは、民事再生や会社更生法などの法的申請とは別で、裁判所を通じて負債処理を行う再建方法ではなく、当事者間の話し合いで債務処理を行う手続き。このため裁判所ではなく、法務大臣および経済産業省が認定した第三者機関である事業再生実務家協会が管理、当事者間(田淵電機と金融機関)で話し合いを行う。取引先との一般債務などは通常通り履行される。今回のケースも金融債務のみが対象となる。

 金融機関との個別交渉という選択肢もあったが、田淵電機、国内子会社の田淵電子工業(栃木県大田原市)、テクノ電気工業(神奈川県秦野市)の3社合わせて11行の金融機関と取引関係があり、11行と個別に折衝するより、まとめて事業再生ADRで行った方がいいという判断となった。

 18年3月期末で田淵電機の連結決算上では、短期借入金は80億9,400万円、長期借入金は17億8,800万円となっている。ただこれは海外を含めた連結決算上の借入金で、会社側では今回のADR対象となる国内3社の金融借入金は総額83億5,000万円とコメントしている。

 ちなみに過日企業分析欄でも指摘したように、18年3月期末時点で純資産は12億7,700万円しかなく(1年前の99億500万円から大きく減少)、自己資本比率はわずか5.6%にまで低下していた(1年前は31.1%)。前期末時点で負債合計は214億2,100万円で、前出純資産を加えた総資産は226億9,800万円となっている。

 また損益では、前18年3月期の最終損失は88億3,000万円。仮に今期の欠損幅が半減しても債務超過は免れないということになる。債務超過を解消するためには、収支トントン近くにまで戻さなければならなかった。こうしなかで、結局は事業再生ADRの申請によって、当面は金融債務の棚上げを図りつつ、なんらかの負債減少策を今後講じていく。

 業績悪化は電源機器の不振が最大の要因。電源機器事業は、家庭用ゲーム機器向けのアミューズメント用電源機器(アダプタ)については新規受注が順調に立ち上がって拡大しているものの、パワーコンディショナ関連が不振。国内太陽光発電市場での改正FIT法における認証手続きの想定外の遅れと、パワーコンディショナ販売価格の下落が響いている。18年3月期の電源機器セグメントは、売上高は前期比0.5%減の166億7,400万円だったが、利益面では42億2,800万円の営業損失となっている。

 ちなみに今19年3月期については「下期の見通しが立ちにくい」ことを理由に通期予想は開示しておらず、9月中間では売上高は前年同期比5.5%減130億円、経常利益は7億円の欠損、当期利益は6億円の欠損とみており、引き続き赤字予想となっている。


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