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<日本触媒>(4114) |
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姫路製作所事故による電子業界への影響度 |
2012年10月3日 |
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9月29日に発生した姫路製作所(姫路市網干区)アクリル酸タンクの爆発、炎上により、電機・エレクトロニクス業界にも少なからず影響が出る見通し。
アクリル酸の用途は幅広く、高吸水樹脂素材として紙おむつなどへの影響が言われているが、電機・エレクトロニクス業界でも、塗料、各種電子部品のフィルムなど貼付材料、産業用粘着テープ、表面保護材、電気絶縁テープ、合成樹脂材料、接着剤材料など広範囲に使用されている。なかでもアクリル酸エステルは、エレクトロニクス業界向けがかなり多い。日本触媒はアクリル酸製造の大手で、アクリル酸の国内シェアは7割、アクリル酸エステルの国内シェアは3割とみられ、さらにこれら製品を製造する国内メーカーもほぼ数社にとどまるという状況となっている。
火災は9月29日の13時ごろ発生、翌30日午後には鎮火したが、会社側によると「アクリル酸関連施設のおよそ3分の1は破損、残る3分の2は表面上は影響が軽微とみられるが、精査の必要がある状況」となっている。当該ラインの再開については、警察や消防の捜査、原因究明、安全対策工事などをすべてクリアすることが前提となるため、会社側では「過去の例からみると数カ月は(復旧まで)要する」とみており、業界では無傷の設備でも4〜6カ月、設備が破損している場合はそれ以上かかるという見方が強い。
なお日本触媒のアクリル酸生産ラインは、国内は姫路製作所1カ所のみ。海外はアメリカ、インドネシア、シンガポールに拠点があり、今後はこうした海外生産の増産などを進める一方、他社での増産支援なども求め、供給が途切れないように善後策を練ることになる。
ちなみに姫路製作所での同品在庫は約1カ月分程度しかなく、ユーザーサイドにも製品在庫はあるが、現状では力関係を背景とした在庫の奪い合い状態になっており、実質的に日本触媒のストックは既にほぼ枯渇状態に近い。ただ用途先にもよるが、製品によっては比較的汎用性が高いものもあり、こうした製品については他社からの供給でもカバーできる。某ユーザーは「たまたま震災時にサプライチェーン寸断があり、その経験から複数拠点の部材確保ルートに手立てをつけており、早速それが役立つ形となりそう」とコメントする。
なおアクリル酸全体の生産のうち、エレクトロニクス業界向けが主体のアクリル酸エステルはおよそ15%程度で、日本触媒のアクリル酸エステルの年産能力は20万トン、このうち同13万トンが姫路製作所での生産だった。
一方今回の事故に関して、日本触媒では、保険による求償を考慮しない場合、姫路製作所全体の製造設備が停止した場合の損失額は1日1億5,000万円で、復旧費用は設備損壊状況にもよるが今のところ50億円程度と試算している。
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