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2013年7月18日 |
<6月の倒産のまとめ> −業界内の倒産事例は計100社− |
弊社で独自に集計している電機・エレクトロニクス業界の倒産事例のうち、13年6月に報道したものは、続報の重複分なども含めて延べ100社で、前月(5月)の97社から微増となった。今年1月からの弊社報道の電機業界倒産件数は、1月104社、2月91社、3月109社、4月119社、5月97社となっている。
6月に起きた業界内での倒産のうち、負債額が最も大きかったのはジャスダック上場のインデックスで負債額は246億円だった(別表負債額一覧を参照)。ただインデックス自身は、一部遊技機器の開発やグループ会社に通信機器など製造のネクス(ジャスダック上場)を抱えるものの、自身は携帯電話などのコンテンツ企画制作などが主体で、業界への影響は限定的とみられる。また弊社でも既報のように、粉飾決算や海外子会社の更生手続きなどがあり、既に倒産は織り込み済みでもあった。今のところ民亊再生での再建を目指している。ちなみに2013年に入ってからの上場企業の倒産としては、半導体プローブカードの東京カソード研究所(3月民事再生法)に次いで2社目だった。
インデックスに次ぐ負債額だったのは基板実装のオーエンス(愛知県東郷町)で、こちらの方が実質的には影響度は大きかった(同社近況は7月18日付企業動向欄で詳報)。また基板実装、EMSとしては、大和電機工業(横浜市鶴見区)と大和電機北海道(北海道登別市)がともに6月に破産を申請している。両社は、5月に破産を申請した大和産業(横浜市鶴見区)のともにグループ会社で、当初は事業継続の可能性を模索していたが、やはりいったん失われた信用の回復はできなかった。また電源装置の聖電工業(東京都大田区)、ワイヤハーネスのヤマユウアイ(静岡県袋井市)も倒産、弊社では事業閉鎖段階でともにいち早く報道した。ちなみに聖電工業は7月18日付で東京地裁に破産を申し立てる予定で、ヤマユウアイは7月末までにやはり破産申請予定となっている。
ちなみに全業種の倒産では、東京商工リサーチの調べでは6月は倒産件数897件、負債総額3,837億400万円(ともに負債額1,000万円以上)、件数は前年同月比では8.0%減、前月比では14.1%減、また負債額はそれぞれ111.2%増、121.3%増だった。件数は減少しているが、前出インデックスのほかにも、証券業のアイティーエム証券が倒産(負債1,416億円)など負債100億円以上の大型倒産が4件あったことが響いた。また帝国データバンクの調査では、6月の倒産件数は906件、負債総額は3,903億6,500万円で、倒産件数は前年同月比1.1%増、前月比4.6%減、負債総額はそれぞれ119.8%増、152.8%増だった。
全体として、全業種では倒産件数は中期的には減少傾向にあるという見方もできるが、電機業界においては必ずしも減少していない。6月の倒産事例にもあるように、生産の海外シフトなども続き、基板実装の下請けなどでは厳しい経営環境が続く。中小企業への金融円滑化法などによって延命していた企業が融資延長や追加融資を断られて倒産するケースも頻発している。景気には回復傾向もみられるが、一部のメーカーや一部の製品に限定されているのが実態で、今年後半も倒産事例は減少することはないと弊社ではみている。
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<オーエンス> |
基板実装およびプリント基板の設計。グループ会社のサンオオカワ(本社、代表者同一)とともに、6月7日付で名古屋地裁に民亊再生手続きを申請した。既に上場の日本特殊陶業とスポンサー契約で基本合意している。日本特殊陶業とオーエンスはこれまでにも取引関係があった。詳細は本日7月18日付企業動向欄で詳報している(参照)。オーエンスは77年にオオカワ電機として設立され、01年に現社名に改称、この間の2000年にサンオオカワは設立されている。基板実装、EMSが主力で全体売り上げの6〜7割を占め、ほかにプリント基板の設計や機構部品の組立なども行い、基板の設計については独立した受注で外販も行っていた。かつては年間売上高が40億円以上あり、11年6月期も同23億8,000万円という規模だったが、ここ数年は欠損が続いており、さらに前12年6月期は売上高が14億円にとどまる一方引き続き欠損で、債務超過状態となり、自主再建を断念した。
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<大和電機工業><大和電機北海道> |
ともに実質親会社の大和産業の倒産に連鎖した。大和産業としては5月17日付の破産申請で、同社は溶接機器や医療用コンピュータの販売を手がける商社だった。このためともにEMSを手がける大和電機工業および大和電機北海道とは業務面ではつながりがなく、大和産業倒産後も2社はともに事業を継続していた。大和電機工業は当初「事業面でつながりはないので影響は限定的」と語り、大和電機北海道は「事業継続を模索するが、状況は厳しい」とするなど両社には温度差があったが、結果的には両社ともに6月になって破産を申請した。やはり信用が失墜したことで取引先が離れ、事業継続は断念せざるをえなかった。基板実装、電子機器組立のほかにICカードリーダなど情報通信機器の製造も手がけていた大和電機工業は、6月3日付で東京地裁に破産手続き開始を申請、申請代理人は横木雅俊弁護士(TEL03−6277−6230)。負債は9億3,000万円。またEMS専業の大和電機北海道の方は6月7日付で札幌地裁室蘭支部に破産を申請、申請代理人は津田秀太郎弁護士(ほくと総合法律事務所、TEL011−207−1060)、負債は2億5,000万円だった。
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◇6月の電機業界における主な倒産(民亊再生含む)事例
(6月に弊社で報じた累計100社うち負債1億円以上の31社のみ抜粋)
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社 名(本社所在地) |
業 種 |
代表者 |
倒産形態 |
負債額(円) |
(株)インデックス(ジャスダック) |
携帯用コンテンツ制作 |
落合善美 |
民亊再生 |
246億 |
(株)オーエンス(愛知県東郷町) |
基板実装 |
大川勝平 |
民亊再生 |
30億 |
(株)ユーワ(神戸市中央区) |
樹脂製品製造・販売 |
大熊一太 |
事業閉鎖 |
15億 |
大和電機工業(株)(横浜市鶴見区) |
EMS・情報通信機器 |
松本正毅 |
破産 |
9億3,000万 |
聖電工業(株)(東京都大田区) |
電源装置・トランス製造 |
立原昭夫 |
事業閉鎖 |
8億5,000万 |
関屋化学(株)(奈良県上牧町) |
工業用プラスチック製品 |
池浦幹人 |
破産 |
7億 |
ソルテック(株)(大阪市中央区) |
複合機・AV機器メンテナンス |
川中聰 |
破産 |
6億9,000万 |
(株)浜田工業(名古屋市中川区) |
搬送機器 |
濱田兼次 |
破産 |
5億 |
(株)ヤマミ(福岡市博多区) |
空調機器販売 |
浅野二郎 |
事業閉鎖 |
4億 |
滋野鐵工(株)(富山県砺波市) |
ステンレス鋳造品製造 |
滋野正 |
破産 |
3億5,000万 |
(株)テスク(浜松市中区) |
システム開発 |
榑松宏泰 |
破産 |
3億5,000万 |
(株)中三商会(浜松市中区) |
工作機械販売 |
中村拓司 |
破産 |
3億 |
(株)林製作所(神奈川県逗子市) |
機械部品製造 |
林秀人 |
事業閉鎖 |
2億7,000万 |
(有)ヤマユウアイ(静岡市袋井区) |
ワイヤハーネス |
加藤芳有 |
事業閉鎖 |
2億5,000万 |
(株)大和電機北海道
(北海道登別市) |
基板実装 |
松本正毅 |
破産 |
2億5,000万 |
(株)大道電気研究所
(東京都荒川区) |
制御盤製造 |
大道暁 |
銀行取引停止処分 |
2億2,000万 |
横浜制御(株)(横浜市旭区) |
制御盤製造 |
荒川忠則 |
破産 |
2億2,000万 |
(株)永峰鍍金工業所
(京都市中京区) |
メッキ・表面処理加工 |
永峰健次 |
事業閉鎖 |
2億 |
添川理化学(株)(東京都板橋区) |
電子材料販売 |
添川秀夫 |
破産 |
2億 |
(株)勧興技研(静岡県沼津市) |
金型製造・機械設計 |
中島信武 |
破産 |
2億 |
(株)日向(大阪府東大阪市) |
試験機製造・販売 |
河野今朝光 |
事業閉鎖 |
2億 |
柳屋機械(株)(長野県千曲市) |
空調工事 |
柳町博之 |
事業閉鎖 |
1億8,000万 |
(株)立商(高知県高知市) |
自販機オペレータ |
鎌倉聡 |
破産 |
1億8,000万 |
(株)西日本メディカル(広島市西区) |
理学療法機器販売 |
藤田幸男 |
破産 |
1億5,000万 |
エー・イー・ビー(株)(静岡市葵区) |
工作機械・器具 |
望月昇司 |
破産 |
1億3,000万 |
(株)JGM(東京都文京区) |
医療機器販売 |
吉岡保 |
破産 |
1億2,700万 |
エスピー電機工業(株)
(大阪市北区) |
電気通信工事 |
濱崎宏真 |
事業閉鎖 |
1億2,000万 |
(有)米澤機設(横浜市神奈川区) |
機械器具設置 |
米澤正美 |
破産 |
1億1,000万 |
(株)アキュテック(横浜市青葉区) |
基板実装・LED照明販売 |
野村秀王 |
破産 |
1億1,000万 |
(株)ヤマガタ(東京都文京区) |
OA・事務機器販売 |
山縣清志 |
不渡り |
1億1,000万 |
(株)昭和メディカル(札幌市中央区) |
医療機器販売 |
畠山民夫 |
破産 |
1億 |
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注)続報の会社および負債額不明の企業は除くが、民事再生から破産に移行の場合などは採録。
代表者の敬称は省略。 |
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記事を掲載した倒産企業の社名のみ掲載。記事本文は法人会員サイトのみでご覧になれます。
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6月28日 |
インデックス、ミツエ・モールド・エンジニアリング(続報)、ソルテック、柳屋機械、エスピー電機工業、ボイド |
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6月27日 |
関屋化学、テスク、ミクニ厨房設備 |
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6月26日 |
聖電工業、米澤機設、アイシーズ |
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6月25日 |
大和電機北海道(続報)、大道電気研究所(続報)、アップストーン、古賀空調工業 |
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6月24日 |
永峰鍍金工業所、ユニテック(続報)、三重可鍛工業、ティエスパック |
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6月21日 |
サーモテック、小島工業(続報)、ダイセス、ユーテックス、アレックス、東洋レジン |
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6月20日 |
林製作所、日本イルミネーションシステム、JGM、高野電器、ウェブスターシステム、ジャパン・メディカル・コンピュータ |
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6月19日 |
ヤマユウアイ、ユウキ電線、大和電機工業(続報)、サンエイ電気(続報)、黛電化工業所(続報)、アーサーコーポレーション(続報)、御園鋼機、所沢電機、フェネック |
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6月18日 |
浅野化学産業(続報)、滋野鐵工、勧興技研、浜田工業、丸創電子 |
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6月17日 |
八田エンジニアリング(続報)、昭和メディカル、ヤマミ、魚井商店 |
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6月14日 |
ヤマガタ、ジャパンバリュー、B.parts.KANAZAWA、平野商会 |
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6月13日 |
西日本メディカル、ワイズジャパン、スペーステック、ドリーム・デザイン・ファクトリー、前川鉄工所、宮本商事 |
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6月12日 |
大和電機北海道、大道電気研究所、アキュテック、大成ケミカル、伊藤鉄工所、ライト誘電 |
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6月11日 |
ユウテックマス、ユタカ工業(続報)、化研(続報)、モデル工房ニシムラ、伊藤部品 |
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6月10日 |
オーエンス、浅葱クリエイト(続報)、鳥取電機製造、エー・イー・ビー、リサーヂ |
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6月7日 |
R・Mインテグレーション、プロシード |
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6月6日 |
ユーワ、小松鉄線、システムクリエイト、大阪冷暖商事、キワミ、オクトシステム、日計設計 |
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6月5日 |
日向、添川理化学、横浜制御、中三商会、ティーオー・アクティデータ、ラボテックジャパン、ねりけん、日本エコロジー、清新工機、九州安全工業 |
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6月4日 |
大和電機工業、イムテック |
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6月3日 |
立商、創商機画、オリエンタルビジネス |
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