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企業分析記事
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<サンケン電気>(6707) 
UPSインドネシア市場に参入。業界初の生産も
18年3月期は電源再編、人員削減など特損響く
2018年5月9日
【売上構成】 2018年3月期
半導体デバイス82%、パワーシステム18%
連  結 2014/3 2015/3 2016/3 2017/3 2018/3 2019/3
期初予想
売上高(百万円) 144,467 160,724 155,919 158,772 175,209 178,000
経常利益(百万円) 7,573 10,334 3,791 5,026 11,808 11,000
当期純利益(百万円) 5,029 7,942 171 1,739 -11,421 4,800
純資産額(百万円) 49,108 63,021 53,959 54,736 72,283
総資産額(百万円) 164,762 193,267 184,711 182,700 185,675
株主資本率(%) 29.6 32.4 29.0 29.8 29.8
1株当たり
純資産額
(円)
401 516 441 448 456
1株当たり
当期純利益
(円)
41 65 1 14 -94
 18年3月期業績は結果的に114億円の最終巨額欠損となった。事業構造改革推進のため特別損失189億円を計上したことが要因。ただ売上高は2ケタ増収で、経常利益も大幅増益となっている。また特損計上を決めた昨秋時点の予想からは欠損幅も縮小した。一方こうしたなかで、無停電電源(UPS)でインドネシア市場への参入を決めた。現地生産に取り組む一方、現地企業と提携して現地市場で販売も開始する。生産は業界全体でも初めてで、販売もサンケン電気はほとんど実績がなく、市場参入となる。

 インドネシア市場では、従来から欧米のメーカーが中国などで生産したUPSを輸入販売していたが、サンケン電気はインドネシアの現地法人において、現地企業の協力を得て、設計から生産・検査までを一貫して行う。このためUPSとしては業界でも初の「メイド・イン・インドネシア」製品になる。

 インドネシアの現地法人サンケンインドネシア(PT. Sanken Indonesia)を通じて、現地の有力企業スカイ・エナジー・インドネシア社と提携した。サンケンインドネシアでUPSを現地生産、スカイ・エナジー・インドネシア社の販路を活用してUPSの現地拡販に取り組む。提携相手のスカイ・エナジー・インドネシア社は、インドネシア最大の国産バッテリー・メーカーであるニプレス社のグループ企業という存在。

 インドネシアでは、サンケン電気が日本国内で生産・販売しているUPSの主力製品「SMUシリーズ」を生産する。サンケンインドネシアで、まず20人程度の人員を投入して今年度中に生産を開始、3年後には10億円の売り上げを目指す。「SMUシリーズ」は、低騒音・高効率・安定出力などが特徴で、インドネシア国内のオフィスバックアップ用や工場の生産ラインにある製造設備などを販売ターゲットとしていく。なお現地ではスカイ・エナジー・インドネシア社がインドネシア国内における総代理店として、同社の「JSKYE」ブランドを使用、「SMUシリーズ」同等製品を販売していくことになる。ちなみにサンケンインドネシアは全体でおよそ1,100人の従業員を抱えるスイッチング電源の量産拠点。

 18年3月期業績は表中の通りで、売上高は前期比10.4%増、経常利益は2.3倍増と伸びたが、特別損失189億円の影響で大幅欠損となった。特別損失の中身は事業構造改革費用が183億円を占め、ほぼこれがすべて。事業構造改革は、人員削減およびPM(パワーモジュール)事業からの撤退など電源事業再編関連の損失と、半導体デバイス部門においても不採算機種の廃棄損などを計上しており、これらが主な中身となっている。

 人員削減については、昨年2017年11月に実施、同時点で全体従業員1,225人のおよそ1割にあたる120人を削減した。また電源事業の再編は、トランス、TV用アダプタ、AV、OA機器向け電源などが中身とするPM事業から2018年3月までに生産撤退したもの(販売は今期半ば程度まで残る)。電源のなかでも、車載、産業機器、通信機器など戦略市場向けの製品については残り、またUPSやインバータなどは強化していく方向となっている。


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